化粧品OEMは売れない?6つの原因と販売を成功させるポイント

自社ブランドの化粧品を販売したいと考えたとき、多くの企業が活用しているのが「OEM」という方法です。

OEMとは、商品の製造を自社ではなく外部の専門メーカーに委託する形態を指します。

開発や製造のノウハウがなくても、比較的短期間でオリジナルブランドを立ち上げられる点が大きなメリットです。

そうはいっても、「OEMで化粧品を作ったのに全く売れない…」「始めてみたいけれど、何から着手すればいいのかわからない」といった悩みを抱えているブランドオーナーの方も少なくありません。

OEMはあくまで“作る”手段であって、“売れる”保証ではありません。

ブランドを確立し、継続的に販売していくには戦略が必要です。

実際に、化粧品OEMが思うように売れない背景には、いくつかの共通する課題があります。

この記事では、なぜOEM商品が売れないのかという原因と、販売を成功に導くためのポイントについて詳しく解説します。

美容プロモーション・化粧品PR代行会社 有限会社マヴェリック

美容プロモーション・化粧品PRの専門家
マヴェリック編集部

代表 桑原由美子が率いる美容専門のPR会社。1996年の創業からビューティに特化したメディアコミュニケーションを実施。長年のキャリアで築き上げたメディアとの信頼関係を強みとして、WEBを含む美容誌・女性誌へのアプローチを中心に、イベント、インフルエンサーマーケティングなど、常にトレンドや時代のニーズに合わせたPRの戦略と戦術を設計することでブランドや製品の認知度向上に貢献。

化粧品OEMは売れない?伸び悩む背景

まずは、なぜ「化粧品OEMが売れない」と言われてしまうのか、その理由について考えていきましょう。

ブランドの確立が難しい

化粧品のOEMをしようとすると、多くの化粧品ブランドが共通のOEMメーカーで開発・製造をすることになります。

そのため、コスメ市場にはどうしても似たような特徴を持つ商品があふれやすく、製品の差別化が難しいです。

結果として、消費者に強いブランドイメージを植え付けることが難しく、売上が伸び悩んでしまいします。

多数のOEM会社の中から絞り込むのが難しい

2022年3月末時点で化粧品製造業のOEMを行っている企業数は4,000社以上も存在しているといわれています。

多数のOEM会社のなかから、自社のニーズに合った企業を見つけることは容易ではありません。

たとえば、自社工場を所有しているOEMメーカーは工場内で一貫して製品を生産できるので、コストを抑えられる上に多くの知識やノウハウを持っているというメリットがあります。

しかし、得意分野ではない商品については対応が難しかったり、一部の作業を外注せざるを得なかったりするため、結果的にコストがかかってしまうというデメリットを考慮しなければなりません。

一方で、自社工場を持たないファブレスのOEMメーカーは幅広い協力工場のネットワークを活用できるため、多様なニーズに対応可能ですが、コストが高くなる傾向があります。

このように、OEMメーカーの選択は製品の品質やコストなど、さまざまな要素を考慮する必要があり、慎重な検討が求められます。

化粧品OEMが売れない原因

実際に化粧品OEM商品を開発・販売できたとしても、市場に卸してみると売れないことが危惧されます。

化粧品OEMが売れない原因として、以下のような理由が挙げられます。

  • 市場調査不足で競合に埋もれてしまっている
  • 商品とターゲット層の間にギャップがある
  • パッケージデザインにトレンド感がない
  • マーケティング活動が不足している
  • 理想とする製品が作れないOEMメーカーを選んでしまう
  • サポートが不十分なOEMメーカーを選定してしまう

上記の6点について、それぞれ詳しく解説します。

市場調査不足で競合に埋もれてしまっている

どれだけ良い商品でも消費者に知ってもらえなければ、売れることはありません。

特に多くのブランドが利用するOEM商品の場合、自社ブランドをしっかりとアピールしなければほかの商品との差別化が難しく、埋もれてしまうリスクが高まります。

ヒットした化粧品はどのようにブランディングしたのか、どのような方法で商品を売り出したのかなど、市場調査を行ってしっかりと研究する必要があります。

商品とターゲット層の間にギャップがある

化粧品OEMの商品を購入するユーザーのニーズを理解していないと、商品の売上が伸び悩むことがあります。

たとえば、10〜20代学生の女性と40代会社員の女性では、配合成分や効果、パッケージデザインなど化粧品に求めるものが大きく異なります。

また、価格帯がターゲット層と合わない場合も化粧品OEMは売れにくいでしょう。

このように、化粧品OEMを成功させるためには「誰に」「どのような商品を」「どのくらいの価格で」売るかを明確にして、できるだけ商品とターゲット層の間にギャップを生じさせないことが大切です。

パッケージデザインにトレンド感がない

ユーザーにとってパッケージデザインが「安っぽい」「雑に見える」と感じる場合、その商品の品質も同様に低いと思われてしまう可能性があります。

どれだけ高品質な化粧品であっても、デザインにトレンド感がないと信頼性が損なわれてしまい、購入をためらわれることが多いです。

加えて、パッケージデザインはターゲットとするユーザー層に応じてカスタマイズする必要があります。

たとえば、若い世代向けにはトレンディでカラフルなデザイン、年齢層の高いユーザーにはエレガントでシンプルなデザインが求められます。

ターゲット層にトレンド感がないと思われるパッケージデザインでは、商品が魅力的に映らず、興味を引くことが難しいです。

マーケティング活動が不足している

マーケティング活動が不足していると、そのターゲット層に化粧品をリーチすることが困難です。

たとえば、若年層向けの商品を販売する場合、SNSやインフルエンサーを通じたアプローチが有効ですが、実現できていないとターゲット層に届かない可能性があります。

また、化粧品市場には多くの競合製品が存在するので、マーケティングが不十分だと「ほかの商品とどう違うのか」という差別化ポイントがユーザーに伝わりません。

そのため、マーケティング活動でその化粧品の特長を効果的に伝えて、ユーザーに「自分に合った商品だ」と感じてもらう必要があります。

理想とする製品が作れないOEMメーカーを選んでしまう

特徴や魅力、ブランドイメージやコンセプトを商品に落とし込んだ上で製造できるOEMメーカーを選択しなければ、理想とするコスメが作れないことは当然です。

化粧品の色味・質感・機能性成分の配合など、化粧品のアピールポイントを実現する技術力を持つOEMメーカーを見つけなければ、いくら市場調査やマーケティングに注力しても化粧品は売れないでしょう。

たとえば、スキンケア化粧品のOEM商品を作りたいにもかかわらず、メイクアップに強みを持つメーカーに製造を依頼したとします。

そのメイクアップが得意なOEMメーカーは、スキンケアに関するノウハウや技術力は十分とはいえないでしょう。

処方して欲しい成分や実現したいテクスチャーの要望をどれだけ出しても、理想的なスキンケア化粧品に仕上げられない可能性が高いです。

そのため、得意分野やできることを把握した上でOEMメーカーを選定することが重要です。

サポートが不十分なOEMメーカーを選定してしまう

化粧品OEMメーカーの中には、単に商品を作るだけでなく、マーケティングや商品企画のサポートも行っているところがあります。

しかし、こうしたサポートが不十分だと、どのようにユーザーにアピールすれば良いのか、コスメ市場のトレンドにどう適応すれば良いのかがわからず、せっかく理想的な化粧品を作っても売れないかもしれません。

特に化粧品業界には効果的なマーケティングが欠かせないため、サポートがないと商品が市場で埋もれてしまいます。

また、サポート体制が整っていない化粧品OEMメーカーを選ぶと、万が一トラブルが起きた際に初動が遅れたり、商品の改良やカスタマイズに柔軟に対応してもらえなかったりする可能性があります。

化粧品OEMの販売を成功させるポイント

化粧品OEMの販売を成功させるポイントは、以下の通りです。

  • 顧客のニーズや市場調査を徹底する
  • 商品コンセプトのターゲット層を再定義する
  • ターゲット層に合わせた商品デザインにする
  • マーケティング活動に力を入れる
  • OEMメーカーとの協力体制を整える
  • リピーターを獲得する

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

顧客のニーズや市場調査を徹底する

化粧品業界は非常に競争が激しい市場であり、顧客のニーズや市場調査をしないまま開発した商品では、競合他社との差別化ができません。

ユーザーニーズを具体的に落とし込まないと、ユーザーは「この化粧品は自分にぴったりだ」と感じることができず、競合製品の中に埋もれてしまいます。

競争に勝つためには、市場調査を徹底的に行ってニーズを細かく把握し、ユーザーにしっかりアプローチすることが大切です。

商品コンセプトのターゲット層を再定義する

商品コンセプトのターゲット層を改めて見直し、きちんと再定義しましょう。

ターゲット層が定義できていないと、どのような化粧品を作るかというコンセプトがブレて、商品の特長・成分・販売価格などに対して一貫性が欠けてしまいます。

たとえば「乾燥肌向けの化粧品を作る」というコンセプトを決めたとしても、若い世代をターゲットにするか、年齢層が高い層をターゲットにするかで、求められるスキンケアの成分や効果、使用感は大きく異なります。

「どんな人に使ってもらいたいか」を可能な限り考え、ターゲット層を明確化しましょう。

ターゲット層に合わせた商品デザインにする

化粧品のデザインは、ターゲットとするユーザー層に応じてカスタマイズする必要があります。

ターゲット層の嗜好に合わないデザインでは、化粧品が魅力的に映らず、ユーザーの興味を引くことが難しいでしょう。

また、パッケージデザインは商品の特長や使用感を視覚的に伝える手段でもあります。

ターゲット層に合うデザインでないと、ユーザーはその化粧品の効果が信頼できるのか、自分の肌に合うのかを想像することが難しくなり、購入の決め手に欠けるかもしれません。

ターゲットにしたいユーザーがどのような人物かを具体的に設計した上で、適切な商品デザインに仕上げられるように意識しましょう。

マーケティング活動に力を入れる

マーケティング活動に力を入れて、特定のターゲット層に向けて化粧品の効果的なメッセージを届けましょう。

化粧品業界では年齢・性別・肌質・ライフスタイルなどターゲットとなるユーザーのニーズに合わせた商品を開発しても、そのニーズに合ったメッセージやチャネルを使わないと購入してもらえません。

また、近年のコスメユーザーはSNSでレビューを見たり、口コミを参考にしたりして購入を決めることが多くなっているため、SNSやデジタルマーケティングを活用することが求められています。

適切なターゲティングを行い、ユーザーの購買行動に直結するマーケティングを展開することが重要です。

OEMメーカーとの協力体制を整える

化粧品OEMを成功させるには、OEMメーカーとの協力体制を整えることが重要です。

OEMメーカーと良好な信頼関係を構築することで、製造したコスメを市場に流通させるまでの時間を短くできたり、商品の改良を提案してくれたりといったことが期待できます。

また、継続的に取引できれば、製造コストを削減したり、何か要望を出した際にスムーズに対応してもらえる可能性が高いです。

このようにOEMメーカーと協力体制が整えられていれば、開発した化粧品をヒットさせられるかもしれません。

化粧品OEMで成功するには、OEMメーカーとのコミュニケーションを密に取り、信頼関係を築くことを重視しましょう。

リピーターを獲得する

化粧品のOEMで継続的に売上を伸ばすためには、リピーターの獲得が重要なポイントです。

新規顧客の獲得も重要ではありますが、ユーザーのリピート率が高ければ長期的な利益の確保につながります。

リピート率が高いということは、それだけユーザーが化粧品を気に入ってくれていて、継続して買っている証拠です。

高いリピート率を維持していれば、安定した売上のみならず、広告費や新商品を開発するための予算を確保できるでしょう。

結果として、化粧品ビジネスをさらに大きく成長させられます。

化粧品OEMはWebマーケティングに力を入れることが不可欠

現代の消費者は、化粧品を購入する前にインターネットで情報を集めることが当たり前になっています。

SNSや口コミサイトで商品の評判を調べたり、動画で使い方を確認したりするなど、オンラインでの情報収集が購買行動に大きな影響を与えています。

そのため、自社の製品情報を積極的に発信し、消費者の目に触れる機会を増やすためにWebマーケティングに力を入れることが不可欠です。

Webマーケティングを効果的に活用することで、競合他社との差別化を図り、自社製品の認知度向上につなげることができます。

マヴェリックは化粧品・コスメのPRをサポート

化粧品OEMは、ブランドの確立や多数のOEM会社の中から最適なパートナーを絞り込むことが難しく、市場調査やマーケティング活動の不足などが原因で、商品が売れないという状況に陥ることも少なくありません。

しかし、ターゲット層に合わせた商品デザインの開発や、OEMメーカーとの強固な協力体制の構築など、売れる化粧品OEMを実現するためのノウハウは多岐にわたります。

コスメ・化粧品のPRに特化したマヴェリックは、これらの課題を解決し、お客様の化粧品を成功に導くための豊富な経験と専門知識を有しています。

製品ブランド価値を最大化し、売上向上に貢献するPR活動の立案から、効果的なプロモーション施策の実行まで、一貫したサポートを提供いたします。

化粧品OEMで認知獲得や売上拡大にお悩みの際は、ぜひ一度マヴェリックにご相談ください。