SNSブランディングとは?メリットや成功させるためのポイントを解説
SNSは性別や年齢を問わず幅広い層から利用されており、ただのコミュニケーションツールにとどまらず、企業が自社や製品・サービスをブランディングする際に活用する機会が増えています。
テレビCMや紙の広告とは異なり、SNSではリアルタイムで顧客とつながることができるという強みがあります。
実際にSNSブランディングが成功すると、ブランドの認知度や購入リピート率の向上、広告費の削減などにつながるので、企業が取り組まない理由はないでしょう。
この記事では、SNSブランディングのメリットやデメリット、成功させるためのポイントなどを解説します。

美容プロモーション・化粧品PRの専門家
マヴェリック編集部
代表 桑原由美子が率いる美容専門のPR会社。1996年の創業からビューティに特化したメディアコミュニケーションを実施。長年のキャリアで築き上げたメディアとの信頼関係を強みとして、WEBを含む美容誌・女性誌へのアプローチを中心に、イベント、インフルエンサーマーケティングなど、常にトレンドや時代のニーズに合わせたPRの戦略と戦術を設計することでブランドや製品の認知度向上に貢献。
SNSブランディングとは?
SNSブランディングとは、X(旧Twitter)・Instagram・Facebook・TikTok・YouTubeなどのソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を活用して、企業が意図するブランドイメージや価値観を確立し、ターゲット層に浸透させるための戦略的な手法です。
ただ情報を発信するだけでなく、SNS上で一貫したメッセージや世界観を届けることで、「この会社は〇〇だよね」「この製品にはこんな魅力があるんだ」というように、ユーザーの心の中に明確なイメージを築いていくことを目指します。
SNSは、もはや単なる情報発信ツールではありません。
企業とユーザーが直接つながり、コミュニケーションを取って共感し合うための大切なチャネルとなっています。
企業の信頼性や魅力を向上させてファンを獲得するためにも、SNSブランディングに注力することが大切です。
今やSNSブランディングは事業成長に必要不可欠!
総務省の発表によると、日本国内でのSNS利用者数は、2023年では約1億580万人でしたが、2028年には約1億1,360万人に増加すると予測されています。
また、「令和5年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」では、10〜60代の男女を対象にしたメディアの利用状況について報告されています。
この調査による国内のアクティブユーザー数は、以下の通りです。
SNS |
国内のアクティブユーザー数 |
---|---|
X(旧Twitter) |
約6,650万人 |
Instagram |
約6,600万人 |
YouTube |
約7,120万人 |
さらに利用率も公開されており、たとえばYouTubeでは最も利用率が低い年代は60代でしたが、それでも66.3%を記録。
Instagramでは、40代・50代ともに80%を超えていることが判明しています。
SNSは日本に上陸したばかりの頃は「若者中心のコミュニケーション手段」として扱われていましたが、今では「あらゆる年代が利用するコミュニケーション手段」へと変化していることは明らかです。
幅広い年代の人に利用されているSNSでブランディングを手がけることは、事業成長に必要不可欠だといえるでしょう。
SNSブランディングのメリット
SNSブランディングのメリットは、以下の通りです。
- ユーザーと直接コミュニケーションが取れる
- 広告費を削減できる
- ブランドの認知度を高められる
- UGCの増加が期待できる
- リピート率が向上する
モチベーションを高めながらSNSブランディングに取り組むためにも、1つずつ目を通しておきましょう。
ユーザーと直接コミュニケーションが取れる
SNSブランディングでは、ユーザーとリアルタイムで直接コミュニケーションを取れることがメリットです。
SNSは企業が一方的に情報を発信するだけでなく、ユーザーの反応に対してコメントや返信を通じたやりとりもできます。
ユーザーは「企業が自分の声に耳を傾けてくれる」「自分の意見や感想を企業が見てくれている」と感じ、ブランドへの信頼感や親近感が構築されます。
一方的な情報伝達の役割しか持たない広告とは大きく異なる、SNS特有の強みと言えるでしょう。
広告費を削減できる
従来の広告手法であるテレビCMや新聞広告、雑誌広告やWeb広告などは、多額の費用がかかります。
しかし、SNSではいいね・シェア・リポスト・リツイートといった機能により、ユーザーが共感したコンテンツは広範囲に瞬時に拡散されます。
高い拡散性により、従来のマス広告に匹敵、あるいはそれ以上の露出を低コストで実現できる可能性があり、広告費を大幅に削減できることがメリットです。
ブランドの認知度を高められる
SNSは、情報が迅速かつ広範に伝達する特性を持つプラットフォームです。
SNSで多くのユーザーに拡散されると、まだブランドを知らない潜在的なユーザー層にもアプローチできます。
さらに、特定のハッシュタグやキーワードに基づいたターゲティングを活用すれば、より効果的に幅広い層にリーチできる可能性を秘めています。
UGCの増加が期待できる
UGC(User-Generated Content)とは、ユーザーが自発的に生成したコンテンツのことを指します。
SNSブランディングが成功すると、ユーザーは「この製品は高性能だから強くおすすめしたい」「こんな使い方を試してみた」と、自発的にブランドの関連情報を発信するようになります。
ユーザーが自らブランドや製品について口コミ・写真・動画などを投稿することで、企業の広告よりもはるかに高い信頼性が生まれやすいことがメリットです。
リピート率が向上する
SNSアカウントのフォロワーが増えたり、UGCが多く生成されたりすると、ユーザーが自社の情報に触れる機会が増えます。
目に触れる機会が多いと、製品・サービスを積極的に購買してもらいやすく、リピート率の増加につながりやすくなります。
リピート率が高ければ徐々にファンを獲得できるので、さらなる認知拡大や顧客ロイヤルティの向上などが期待できるでしょう。
SNSブランディングのデメリット
SNSブランディングのデメリットは、次の通りです。
- 即効性がない
- アルゴリズムやプラットフォームの仕様変更に左右される
- 炎上するリスクがある
メリットだけではなくデメリットにも目を通し、しっかりと理解したうえで取り組みましょう。
即効性がない
SNSブランディングは、即座に目に見える成果が期待できるものではありません。
広告のように「前月比で売上が〇〇%向上した」「Webサイトへのアクセス数が〇%増えた」といった即効性は限定的です。
フォロワー数の増加やブランドイメージの構築には、長い時間をかけることが必要です。
すぐに結果が出ないからと焦らず、長期的な視点を持って地道に活動しましょう。
アルゴリズムやプラットフォームの仕様変更に左右される
SNSにおけるアルゴリズムとは、各SNSプラットフォームがユーザーに適切なコンテンツを表示させるために使用する仕組みのことです。
ユーザーの行動履歴や興味関心に基づいて、どのような投稿を優先的に表示させるか、どのような順序で表示させるかなどを決定します。
SNSプラットフォームは常に変化しており、アルゴリズムや機能、仕様は頻繁に変更されます。
そのため、常に最新情報を収集し、プラットフォームの変化に迅速かつ柔軟に対応しましょう。
炎上するリスクがある
SNSは情報の拡散スピードが速いため、不適切な発言や誤解を招く表現、ユーザー対応の不手際などが瞬時に広まり、いわゆる「炎上」を引き起こす恐れがあります。
一度炎上すると、企業側が意図しない形で情報が拡散され、ブランドイメージが下がりかねません。
信頼回復には多大な時間と労力を要する場合があるため、よく内容を精査したうえでSNSに投稿してください。
ターゲット別に選びたいSNSの代表例
ターゲット別に選びたいSNSの代表例は、以下の表の通りです。
SNSごとに主なターゲット層と簡単な特徴を記載したので、自社に合ったSNSを選びましょう。
ターゲット層 |
特徴 |
|
---|---|---|
Instagram |
20〜30代の若い女性 | ・写真や動画を共有することに特化したSNS ・24時間限定の投稿「ストーリーズ」や短い動画「リール」、ライブ配信など多種多様な機能が利用できる |
X(旧Twitter) |
年代・性別を問わず、あらゆる層 | ・140文字以内の文章に特化したSNS ・最新のニュースやトレンドをリアルタイムで確認できるため、情報拡散に強い |
YouTube |
年代・性別を問わず、あらゆる層 | ・Google社が運営する世界最大の動画共有サービス ・評価、コメント、チャンネル登録などSNSとしての機能も充実している |
TikTok |
10〜20代の若年層 | ・15〜60秒程度の短尺動画を共有するSNS ・AIを活用したレコメンデーションシステムにより、拡散力が高い |
SNSブランディングを成功させるためのポイント
SNSブランディングを成功させるためのポイントは、以下の通りです。
- コンセプトを明確にする
- ブランドやターゲット層に合うSNSを選ぶ
- 一貫性のあるメッセージや世界観を発信する
- 安定して運用できる体制を整える
SNSブランディングでより高い効果を得るためにも、必ずチェックしましょう。
コンセプトを明確にする
SNSブランディングを行ううえで、性別や年齢、家族構成、ライフスタイルなど、ユーザーのペルソナ像を確立することが欠かせません。
コンセプトがはっきりしていると、ターゲット層に当てはまるユーザーが企業やブランドのことに興味を持ちやすくなります。
また、ブレのないコンセプトは発信するコンテンツの軸となり、一貫性のあるメッセージ発信が可能になります。
その結果、ブランドの価値や想いがユーザーに伝わりやすくなるのもメリットです。
ブランドやターゲット層に合うSNSを選ぶ
「Instagramは女性の利用者が多い」「TikTokは10代から人気を集めている」など、SNSごとにユーザーの特徴が異なります。
ブランドやターゲット層に合うSNSを選ぶことで、自社製品・サービスを購入して欲しいユーザーに効果的にアプローチできるでしょう。
すべてのSNSに対応する必要はなく、自社に最適なプラットフォームにリソースを集中させることが成功への近道です。
一貫性のあるメッセージや世界観を発信する
SNSブランディングでは、ユーザーの中でブランドのイメージを定着させることが大切です。
たとえば、かわいらしい世界観やパッケージデザインが魅力的な化粧品ブランドが、ある日突然シックでスタイリッシュな製品のイメージ画像を投稿すると、ユーザーは戸惑ってしまいます。
SNSに限らず、ブランディングをするうえで、統一感のあるメッセージや世界観は不可欠です。
一貫した世界観を発信することで、ユーザーはブランドを簡単に認識し、信頼感や親近感を抱くようになります。
安定して運用できる体制を整える
SNSブランディングは、フォロワー数の増加やブランドイメージの定着に時間がかかるため、継続的な運用体制が求められます。
安定して運用し続けるためにも、「誰がコンテンツを制作するのか」「投稿頻度はどの程度にするのか」「コメントやDMへの対応フロー」など、具体的な役割分担やルールを明確に決めておくべきです。
属人化を避け、必要に応じてチーム内での協力体制を構築したり、外部の専門家との連携を検討したりするといった対応を検討しましょう。
SNSを含む全体のブランディングならマヴェリックへ
SNSブランディングは、ユーザーとの信頼関係や親しみを築くことで、リピート購入の促進やUGCの活性化といった効果が期待できます。
即効性が低く、炎上リスクもゼロではありませんが、長期的に見ればブランド認知の拡大や広告費の削減といった成果を生み出せるでしょう。
競合ブランドとの差別化を図るためには、SNSでの共感づくりだけでなく、雑誌掲載といった“社会的評価”の獲得も欠かせません。
SNSではユーザーとの信頼関係を築き、ファンを育てることができる一方で、雑誌をはじめとするメディア露出は、ブランドの信頼性や格を高める後押しになります。
マヴェリックは、美容・化粧品領域に特化したPRの専門家。
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