スキンケアマーケティングの事例6選!効果的な戦略や成功させるポイントも解説

近年、スキンケア市場はさまざまなブランドが独自の戦略を打ち出しています。

特にSNSやデジタル技術の進化により、消費者との接点が増え、新たなマーケティング手法も登場しています。

この記事では、有名スキンケアブランドによるマーケティング事例を6つご紹介します。また、数あるマーケティング方法でも効果が出やすい戦略や成功させるために押さえておきたいポイントも解説します。

美容プロモーション・化粧品PR代行会社 有限会社マヴェリック

美容プロモーション・化粧品PRの専門家
マヴェリック編集部

代表 桑原由美子が率いる美容専門のPR会社。1996年の創業から美容に特化したメディアコミュニケーションを実施。長年のキャリアで築き上げたメディアとの信頼関係を強みとして、WEBを含む美容誌・女性誌へのアプローチを中心に、イベント、インフルエンサーマーケティングなど、常にトレンドや時代のニーズに合わせたPRの戦略と戦術を設計することでブランドや製品の認知度向上に貢献。

スキンケア業界にWebマーケティングが求められる理由

スキンケア業界では、特にWebでのマーケティング戦略が求められています。

その理由として、3つのポイントを紹介します。

購入する前にWebで情報収集する人が6割を占める

株式会社スパコロが実施した「スキンケア化粧品購入意識・実態調査」では、化粧品を購入する前にWebで情報収集する人が約6割にも上ることが明らかになりました。

また、「アプリやサイトで顔や肌のスキャン・診断をする」と答えた人もコロナ前よりも増加し、こうしたユーザーのニーズに応えられるコンテンツが求められています。

「Web上で接客する」という意識を持ち、ユーザーがWebの情報だけで安心して化粧品を購入できるような情報発信やサービスを展開する必要があります。

スキンケアブランドは競争が激化している

技術開発の進化により、ヤクルトや味の素、富士フイルム、大正製薬など、異業種から化粧品業界への参入が増えています。

既存のスキンケアブランドを筆頭に、多数のブランドが乱立して競争が激しいからこそ、ユーザーニーズの変化を的確に予測して迅速に対応しなければなりません。

競合他社の動向をすばやくキャッチするためにも、Webマーケティングは必須といえるでしょう。

海外へ市場開拓しやすくなる

日本では少子高齢化による化粧人口の減少により、今後はスキンケアの需要が伸び悩む可能性が考えられます。

販路を拡大するためにも、国境を越えてブランドをPRできるWebでのマーケティング展開は目下の課題といえるでしょう。

どの国や地域に進出するかによりますが、英語や韓国語、中国語など他言語でのアピールも視野に入れることがおすすめです。

スキンケアブランドにおすすめのマーケティング手法

スキンケア化粧品に向いているマーケティング手法として、以下があります。

  • SNSマーケティング
  • ライブコマースや動画
  • インフルエンサーマーケティング
  • オンライン診断サービス

それぞれ詳しく解説します。

SNSマーケティング

SNSは日本国内だけでも数千万人が利用しており、現代には欠かせないマーケティング手法です。

アカウントを作成するだけで発信することができ、広告費をかけずに運用できるので、スキンケアブランドを展開したばかりの会社でもマーケティングしやすいです。

SNSに化粧品の口コミを投稿する人が多いので、「現在はどのようなスキンケアが好まれているのか」「今バズっている商品の特徴は何か」など、市場調査を兼ねて自社のコスメを宣伝しましょう。

ライブコマースや動画

スキンケアはメイクと異なり、画像では色味や質感が分かりづらいので、動画でのアピールがおすすめです。

ライブコマースを配信したり動画コンテンツを制作したりして、テクスチャーや塗り心地を共有し、ユーザーに興味を持ってもらえるように工夫しましょう。

ビジュアルだけではなく「とろみがあってのばしやすい」「モチモチとした仕上がりになる」など音声での魅力的な説明も加えることで、よりユーザーの購買意欲を高められることが期待できます。

インフルエンサーマーケティング

美容系のYouTuberやインスタグラマーといったインフルエンサーとコラボすることで、一気にブランドの知名度を上げられる可能性があります。

有名インフルエンサーには数万人から数十万人ものフォロワーがいるので、紹介に至れば千から万単位のユーザーが注目してくれるかもしれません。

ただし、そもそもインフルエンサー本人に興味を持ってもらわないとコラボしてもらえる可能性が低くて意味がないので、ある程度ブランドにファンがつき、広告費をかけられるようになった段階での着手がおすすめです。

オンライン診断サービス

ユーザーが自分の肌質をWebで診断できるサービスを展開する手法もあります。

診断結果に基づいて「乾燥肌の方におすすめの商品はこちら」といった形で商品を提案し、そのままECサイトへのスムーズな移行を促すことで、興味を持ったユーザーの購入意欲を高めることが期待できます。

また、オンラインでスタッフによるカウンセリングを受けるサービスを用意すれば、ユーザーの購入意欲をかき立てやすくなるでしょう。

スキンケアマーケティングにおける成功事例6選

実際にスキンケアを展開しているブランドは、どのようなマーケティングを行っているのでしょうか。

スキンケアで成功したマーケティングの事例を6つ紹介します。

資生堂

資生堂は化粧品の国内シェアで第1位、世界シェアで第5位を誇る名実ともにトップクラスの化粧品ブランドです。

会員制サイト「資生堂オンラインストア」では、正しいスキンケア方法や肌質チェックなどの化粧品や美容に関する記事を多く配信しています。

記事内で紹介されている商品や診断結果に基づいて提案されるスキンケア商品があるため、ユーザーは迷うことなく最適なアイテムを購入できるのが特徴です。

また、資生堂が展開しているブランドを一覧で掲載しているため、ユーザーが自分が気になるスキンケアブランドにアクセスしやすい点もマーケティングに成功しているといえるでしょう。

IPSA(イプサ)

IPSAは資生堂が展開するデパコスブランドで、「ザ・タイムRアクア」という化粧水がベストセラーとして有名です。

Webサイトではオンラインでのスタッフによるカウンセリングをはじめ、肌測定や肌チェックと肌質にアプローチするコンテンツが充実しています。

肌診断サービスでは結果をもとにおすすめのスキンケアアイテムが紹介されるので、ユーザーが「どの化粧品を使えばいいのだろう?」と悩まずに購入できる点が魅力です。

また、SNSではアカウントのフォロー・いいね・引用リポストをすれば抽選で現品がプレゼントされるキャンペーンを実施しており、ファン獲得につなげています。

ORBIS(オルビス)

ORBISは国産のスキンケア・化粧品ブランドで、ニキビ肌や敏感肌向けのシリーズをメインに多数のラインを販売しています。

親会社はポーラです。

美容系インフルエンサーの「かずのすけ」さんや、皮膚科医の「友利新」先生などの著名人がYouTubeに口コミ・成分解説動画を投稿しており、商品の認知拡大につながっています。

ORBISは特にSNSマーケティングが特徴的で、Xの新商品の投稿文では「中の人(アカウントの運営者)」の使用感がダイレクトに表現されているので、宣伝されている印象が薄く、ユーザーの目を引きやすいことがポイントです。

また、ときどき中の人の私生活の様子も投稿されるため「企業アカウント」というよりも「数多いるオルビスファンの1人」という雰囲気があり、ユーザーにブランドに対して親近感を覚えてもらいやすいよう工夫されています。

FANCL(ファンケル)

FANCLは無添加コンセプトで有名な日本のスキンケアブランドで、サプリも展開しています。

Webサイトではオンラインの無料パーソナルカウンセリングを展開し、スキンケアアイテムの選び方などコンテンツが豊富です。

また、XやInstagramではアカウントのフォロー・いいね・引用リポストで現品が抽選でプレゼントされるキャンペーンを展開していて、新商品の知名度アップに貢献しています。

特にInstagramは、商品単体を撮影している画像が多く投稿されており、清潔感と肌に優しいイメージを強調するブランディングに成功しています。

TAKAMI(タカミ)

TAKAMIは、美容皮膚の視点から開発されたスキンケア製品を展開する日本のスキンケアブランドです。

代表的な商品である「タカミスキンピール」は、誕生から18年間、処方を変えずに販売をしていおり、多様な肌悩みに応える実力で多くのファンから支持を集めてきました。

口コミやインフルエンサーの活用により認知度を高める施策を行い、その後の導線としてオンラインショップでは1,000円で試せるお試しセットを用意しています。

初めてタカミスキンピールを体験する方でも気軽に始めやすい点が魅力です。

近年はオンラインでの情報発信だけでなく、POP UP SHOPの出店を行い、実際に商品を手にとって試せる機会も増やしています。

La Roche-Posay(ラロッシュポゼ)

La Roche-Posayは、フランスで1975年に誕生した敏感肌のためのスキンケアブランドで、世界で9万人以上の皮膚の専門家に支持されています。

Xの公式アカウントをフォロー&投稿のリポストといった簡単なステップで、化粧下地などの現品が抽選で当たるキャンペーンを実施しており、着実にファンを増やしています。

また、有効成分の解説や正しい洗顔方法、肌悩み別の商品紹介などを定期的にポストし、ユーザーの疑問や不安に寄り添う姿勢を見せていることも特徴です。

ほかにもInstagramやWebサイトでも、ブランドアンバサダーを務めている友利先生をはじめとする皮膚科医が、話題になっている成分の安全性や有効な紫外線対策、La Roche-Posayのスキンケアの特徴などをわかりやすく解説しています。

スキンケアのマーケティングを成功させるためのポイント

スキンケア市場への新規参入やマーケティングで成果を上げるためには、いくつかの重要なポイントを理解しておく必要があります。

以下では、スキンケアのマーケティングで成功するために必要なポイントを3つ解説します。

ユーザーのペルソナを明確に設定する

スキンケアのマーケティングを考える際には、ターゲットとなるユーザーのペルソナを明確に設定することが重要です。

年齢や性別、職業、家族構成などを基に具体的な人物像を描き出すことで、マーケティングの方向性を定めやすくなります。

たとえば「仕事と子育てに忙しい30代のママさん向けの商品だから、文字は少なめでビジュアルで訴求しよう」といった具合に、ペルソナを明確にすることで自然とPR手法が見えてきます。

そのうえで「ニキビや赤みなどの肌荒れに悩んでいる」「混合肌でも使えるスキンケアを探している」など、肌に関するユーザーの悩みを明確にすることで効果的なマーケティングを行う準備が整うでしょう。

PRしたい強みを洗い出す

他社の類似商品との差別化を図り、新規ユーザーに興味を持ってもらったり、ファンやリピーターを獲得したりするためにも、強調したいポイントをまとめることは必須です。

「天然由来成分を100%使用している」「無香料・無着色・アルコールフリー」など、スキンケアブランドとして強く打ち出したいアピールポイントを洗い出してください。

ブランドに適したマーケティングを行う

マーケティングをするには膨大な時間や多額の人件費を割く必要があるので、前述したマーケティング手法を一気に取りかかろうとするのは推奨できません。

たとえば「ブランドを立ち上げたばかりで認知度が低いから、まずはSNSマーケティングに力を入れよう」「ファンが生まれ始めて広告費の予算を多めに確保できるので、今後は動画マーケティングにも着手しよう」といった具合に、ブランドの成長段階に応じた手法を選ぶことが大切です。

無理なく段階的に進めることで、スキンケアブランドの成長を効率的に促進できます。

【重要】薬機法に違反しない表現を用いる必要がある

薬機法とは、医薬品・医療機器・化粧品などの品質や有効性、安全性を確保するための法律です。

保護衛生上の危害の発生や拡大の防止ため、広告や表示などに関するルールが定められています。

薬機法に違反すると、業務改善命令や業務停止命令、措置命令や許可・登録の取消などの行政処分が下される可能性があります。

違反となる表現かどうかは専門知識がないと判断がつきづらいので、必ずプロに相談しましょう。

スキンケアのマーケティングなら実績豊富なマヴェリックまで

スキンケア商品はコロナ禍をきっかけに購入前にWebで情報収集する人が増え、異業種からスキンケア業界への参入が増えています。

競争が激化しているため、トレンドをすばやくくみ取るためにもSNSマーケティングやオンライン診断サービスなどに力を入れ、Web上でユーザーに興味を持ってもらうことが大切です。

資生堂やIPSAなどの成功事例をもとに、ペルソナの設定や強みの洗い出しを行ってマーケティングで効果を出しましょう。

化粧品マーケティングを専門としているマヴェリックでは、これまで数々のスキンケアブランドのPRをサポートしてきました。

スキンケアのマーケティングでお困りでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。