韓国コスメに学ぶSNSマーケティングのポイント!売上につながる施策を徹底解説
韓国コスメ業界は、その見た目の可愛らしさやトレンドの先取りにより、近年目覚ましい成長を遂げています。
その中でも、多くのブランドがSNSの発信に力を入れており、若年層を中心に支持を集めているのが特徴です。
Instagramでの「映える」投稿やインフルエンサーとの連携、ユーザー参加型のキャンペーンなど、SNSの特性を取り入れた施策は、認知拡大から売上向上までを実現するうえで大きな武器といえます。
本記事では、韓国コスメがSNSマーケティングにおいて注目される理由を深掘りし、効果的な戦略を構築するための具体的なポイントについて解説します。

美容プロモーション・化粧品PRの専門家
マヴェリック編集部
代表 桑原由美子が率いる美容専門のPR会社。1996年の創業からビューティに特化したメディアコミュニケーションを実施。長年のキャリアで築き上げたメディアとの信頼関係を強みとして、WEBを含む美容誌・女性誌へのアプローチを中心に、イベント、インフルエンサーマーケティングなど、常にトレンドや時代のニーズに合わせたPRの戦略と戦術を設計することでブランドや製品の認知度向上に貢献しています。
韓国コスメはなぜSNSマーケティングで注目される?
韓国コスメがSNSマーケティングで注目されている理由は、次の通りです。
- ビジュアルを重視しているから
- トレンドを先取りしているから
- リアルな「使用感レビュー」がSNSで拡散されやすいから
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ビジュアルを重視しているから
韓国コスメが注目される理由の一つに、ビジュアルへの徹底したこだわりがあります。
アイテム自体の機能性だけでなく、パッケージデザインのかわいさや斬新さ、カラーバリエーションの配置、質感表現に至るまで、すべてが「映える」ことを前提に設計されています。
特に容器は、思わず写真に撮りたくなるような独自性や可愛らしさがあり、持っているだけで気分が上がると人気で、ビジュアルにこだわって開発されているからこそ、視覚的に訴求力が高く、特にInstagramやTikTokといったビジュアル重視のSNSプラットフォームではユーザーの目を引きやすいです。
韓国コスメの魅力が直感的に伝わり、ユーザーの「いいね」やシェアを獲得しやすいことが特徴です。
トレンドを先取りしているから
韓国コスメブランドは、流行の移り変わりに敏感で、他国よりも速いペースで新製品や新色を展開しています。
日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、Z世代のSNSユーザーが「こんなカラーを使いたい」「違う色も欲しい」などとポストすれば、わずか3〜6か月でそれに応える新製品が登場するケースもあるといいます。
他にもパーソナルカラー別のアイテムや、国や数量を限定したパッケージ、季節感を取り入れたラインアップなど、タイミングを逃さずにトレンドを反映した提案を次々に打ち出している点も特徴です。
新しい成分や、斬新な使用方法など、常に最新の美容技術やアイデアを製品に反映させていることも強みです。
リアルな「使用感レビュー」がSNSで拡散されやすいから
韓国コスメは「パッケージがかわいい」だけでなく、リアルな使用感レビューが自然と拡散されやすい製品設計にあります。
「実際に使ってどうだったか」がユーザーに伝わりやすいよう、発色・持続性・カバー力・スキンケア成分配合率などがしっかりと設計されており、たとえば、ティントリップなら「水分量30%以上の保湿設計」「一日中色持ちするロングラスティング処方」など、数字や機能で魅力が明確に伝えられるため、レビューにも説得力が生まれます。
ユーザーに「自分も試してみたい」という意欲を掻き立たせ、結果として多くのリアルな使用感レビューがSNS上で生成されることで、爆発的な拡散力を生み出しています。
韓国コスメに学ぶSNSマーケティングで成果を出すためのポイント
韓国コスメのSNS活用に共通する成功のポイントを、以下にまとめました。
- 目的やターゲットに合わせてプラットフォームを使い分ける
- ビジュアルを重視する
- UGCを増やす
- ライブ配信を活用する
- 希少性や特別感を演出する
- インフルエンサーを起用する
- ギフティング施策を行う
1つずつ具体的に解説します。
目的やターゲットに合わせてプラットフォームを使い分ける
SNSプラットフォームはそれぞれ異なる特性を持つため、マーケティングの目的やターゲット層に応じて最適なプラットフォームを選択することが重要です。
たとえば、若年層へのリーチや視覚的な訴求を重視する場合はTikTokやInstagramが、詳細な情報の発信やユーザーとの信頼関係の構築にはYouTubeが適しています。
各プラットフォームのユーザー層やコンテンツ形式、アルゴリズムなどを理解し、戦略的に使い分けることで、より高い効果が期待できます。
コスメをPRする際、SNSマーケティングに向いているプラットフォームを4つ取り上げ、それぞれの利用者層や特徴を以下のように表にまとめたので、チェックしてみましょう。
SNS名 |
国内のアクティブユーザー数 |
利用者層 |
特徴 |
---|---|---|---|
Instagram |
約6,600万人 | 10代〜20代の女性 | ・写真や動画の投稿が盛んで、ビジュアルを強く訴求できる ・ストーリーズ機能を活用すれば、一時的なプロモーションも可能 ・ハッシュタグからの集客が期待できる |
X(旧Twitter) |
約6,700万人 | 20代が中心 | ・拡散力が高く、リアルタイムな情報発信が強み ・画像、動画、音声、URLなど幅広いメディアを添付できる ・トレンド機能により「バズる」可能性がある |
YouTube |
約7,120万人 | 40代が最多、次いで50代、30代 | ・製品レビューやメイク方法など、動画コンテンツで具体的に紹介できる ・スマートフォンユーザーに適した縦型動画を投稿できる |
TikTok |
約3,300万人 | 10代~20代で過半数を占める | ・数十秒から1分以内の短尺動画が人気で、バイラル効果(短期間での爆発的な拡散力)が高い ・若年層をターゲットにした訴求に向いている |
ビジュアルを重視する
SNSではテキストよりも写真や動画などの視覚情報が圧倒的に注目されやすく、ユーザーが投稿に目を留めるかどうかはビジュアル次第といっても過言ではありません。
韓国コスメのSNSマーケティングが成果を上げているのは、商品の世界観や特徴を魅力的なビジュアルで表現しているからです。
だからこそ、投稿ではビジュアルを重視する必要があります。
たとえば、クッションファンデーションであれば、ツヤ感の美しさやカバー力の高さを訴求する画像、使用例や使用前後のモデルの肌を撮った動画を投稿すると、ユーザーの興味を引きやすいです。
高品質な画像や動画を投稿することはもちろん、韓国コスメブランドの世界観を表現するクリエイティビティに富んだコンテンツを発信して、ユーザーの目を惹きつけましょう。
UGCを増やす
UGC(User Generated Content)とは、ユーザーが自発的に投稿したコンテンツのことです。
ユーザーは広告よりも実際の使用者の声やレビューを重視する傾向があるので、UGCを増やせればブランドの認知や売上の向上につなげられる可能性があります。
「#〇〇コスメ使ってみた」のようなオリジナルのハッシュタグを設定し、そのハッシュタグをつけて投稿してくれたユーザーの中から抽選でプレゼントが当たるキャンペーンを実施することで、UGCを自然に増やしていくことが期待できます。
ライブ配信を活用する
ライブ配信は、ユーザーとリアルタイムでコミュニケーションが取れることがメリットです。
新製品の発表会をライブで配信し、視聴者からの質問にその場で答えたり、実際にモデルの方に製品を試してもらうことで、疑問や不安をすぐ解消してユーザーの購買意欲を高められる可能性があります。
また、「このライブ配信を見ている人限定」というような限定特典を設けると、ユーザーの購買意欲をさらに高められるでしょう。
希少性や特別感を演出する
希少性や特別感を演出して、韓国コスメのPR効果や購買意欲を高めることも大切です。
SNSのブランド公式アカウントのフォロワー限定で、来月発売予定の韓国コスメのサンプルを抽選でプレゼントする企画や、担当者が語る開発秘話といった限定動画を公開することで、顧客ロイヤリティを高められます。
他にも先行予約や予約特典つきなど、「今手に入れたい」「すぐに買わなきゃ」という感情を引き出すようにアプローチしましょう。
インフルエンサーを起用する
インフルエンサーマーケティングは、韓国コスメ業界において特に効果的な手法の1つです。
韓国コスメに特化した美容系YouTuberや、特定の肌悩みを持つフォロワーが多いインスタグラマーなど、ブランドのターゲット層に深くリーチできるインフルエンサーを起用することも、SNSマーケティングでは効果的です。
フォロワー数やターゲット層との親和性はもちろん、エンゲージメント率やブランドイメージと合うかなど、多角的な視点で選定しましょう。
ギフティング施策を行う
ギフティングとは、インフルエンサーに自社の製品を提供し、口コミ投稿を狙うマーケティング施策のことを指します。
SNSへの投稿が確約されている「タイアップ」とは異なり、実際に投稿するかどうか・どのような内容を発信するかはインフルエンサーの意思に委ねられるので、投稿する場合は本人が感じた素直な喜びや驚きなどが表現されます。
ギフティング施策で贈る韓国コスメには撮影映えするギフトボックスや、開封体験を重視した作りのものが多く、「投稿したくなる仕掛け」に焦点が当てられていることが特徴です。
既製品の数十倍も大きいクッションファンデーションなど、ギフティング施策の中にはインフルエンサー専用の限定パッケージを制作する例もあります。
韓国コスメのSNSマーケティングの成功事例
SNSマーケティングで成功した以下の3つの韓国コスメブランドを、事例としてご紹介します。
- TIRTIR(ティルティル)
- Wonjungyo(ウォンジョンヨ)
- CLIO(クリオ)
1社ずつ分かりやすく紹介します。
TIRTIR(ティルティル)
クッションファンデーションやフィックスミストなどが有名なTIRTIRは、特に日本市場において爆発的な人気を博している韓国コスメブランドです。
実際に製品を使用したビフォーアフター動画や、本当に化粧崩れしないのかを検証する動画などのUGCが話題になりました。
また、プチプラで手に取りやすい価格設定とミニサイズ展開で購入を促進し、
Qoo10でのメガ割×SNSでのバズりの導線を活用し、SNSマーケティングを成功させています。
Wonjungyo(ウォンジョンヨ)
人気K-POPアイドルのメイクアップアーティストが監修するブランドであるWonjungyoは、リリース前から韓国アイドル風メイクができるブランドとして話題作りに注力しました。
さらに、日本の美容系YouTuberやInstagramのインフルエンサーを多数起用し、一気に知名度を上げることに成功、
パケ映え・機能性・価格のバランスで口コミ投稿が拡散し、瞬く間に韓国コスメブランドの1つとして名を馳せました。
CLIO(クリオ)
CLIOは、多様な色展開と優れた発色が強みのメイクアップアイテムを取り揃えていますが、
同社が展開するスキンケアブランドのgoodal(グーダル)は、日本での知名度が低かったことが課題でした。
Qoo10メガ割のタイミングに合わせてYouTuberやTikTokerなどのインフルエンサーを起用して、goodalの知名度向上を目指し、
その結果、CPC(=Cost Per Click)は一般的な業界平均値の10分の1以下、2024年3月には日本国内のスキンケアコスメ関連のYouTubeのタイアップ投稿で月間再生回数1位になるなど、知名度アップに成功しました。
韓国コスメのSNSマーケティングを展開する際の注意点
韓国コスメのSNSマーケティングを展開する際の注意点は、次の通りです。
- 必ずPDCAを回す
- 法律に触れないように注意して投稿する
- 専任の担当者を置く
それぞれ見ていきましょう。
必ずPDCAを回す
SNSに一度投稿して終わりではなく、インプレッション数やクリック単価、最終的な購入数などのデータを定期的に分析しましょう。
効果の低い広告手法は停止し、効果の高いものにはさらに施策を追加するなど、常にPDCAを回して改善し続けることが大切です。
法律に触れないように注意して投稿する
薬機法や景品表示法など、法律に抵触しないように注意したうえで投稿してください。
韓国でOKな表現でも、日本ではNGなものがあるかもしれないので、ただ直訳して訴求するのは危険です。
明らかに誤った表現はもちろん、ユーザーに誤解を生みかねない表現にも気をつけましょう。
専任の担当者を置く
韓国コスメのトレンドの移り変わりが激しく、SNSも日々アルゴリズムが変化しています。
そのため、専任の担当者を置いて、柔軟な対応や一貫した運用体制を整えることが重要です。
「SNSに関する専門知識を持っている人が社内にいない」「会社の規模が小さく、SNSマーケティングに手が回らない」という場合は、コスメに特化したPR会社に任せるのがおすすめです。
SNSマーケティングを含めた韓国コスメのPRならマヴェリックまで!
韓国コスメのSNSマーケティングでは、ビジュアルを重視した投稿やインフルエンサーの起用などの戦略を取っており、ブランドの知名度の急上昇に成功していることが多々あります。
自社ブランドに最適なプラットフォームを使ったり、ライブ配信を活用したりするなど、多額の費用をかけなくても知名度や売上の向上につなげられるので、ぜひSNSマーケティングに挑戦してみましょう。
美容専門のPR会社であるマヴェリックでは、SNSマーケティングを含めた韓国コスメのPR戦略をサポートしています。
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