韓国コスメの日本市場戦略とは?人気の理由からPR方法、成功事例まで解説


近年、日本のビューティ市場において韓国コスメの存在感は一層高まっています。

2024年には韓国コスメが輸入化粧品として日本でシェア1位を獲得するなど、日本市場において目覚ましい成長を遂げていることがうかがえます。

では、なぜ韓国コスメはここまで日本市場で成功しているのでしょうか。

その背景には、巧みなマーケティング戦略や商品開発の工夫など、多くの要因があります。

この記事では、韓国コスメの日本市場における現状を紹介し、日本で人気が高い理由や効果的なプロモーション戦略などを解説します。

美容プロモーション・化粧品PR代行会社 有限会社マヴェリック

美容プロモーション・化粧品PRの専門家
マヴェリック編集部

代表 桑原由美子が率いる美容専門のPR会社。1996年の創業からビューティに特化したメディアコミュニケーションを実施。長年のキャリアで築き上げたメディアとの信頼関係を強みとして、WEBを含む美容誌・女性誌へのアプローチを中心に、イベント、インフルエンサーマーケティングなど、常にトレンドや時代のニーズに合わせたPRの戦略と戦術を設計することでブランドや製品の認知度向上に貢献しています。

韓国コスメの日本市場での現状

MFDS(韓国の食品医薬品安全処)が発表した統計では、2024年に韓国コスメが輸入化粧品として日本や米国でシェア1位を占めたことが明らかにされました。

ローション・クリーム、エッセンス・オイル、パック・マスクといったスキンケアが10.3兆ウォン(約1兆円)と構成比58.7%を占めて最大となっています。

さらに、シワ改善・美白・紫外線防止などを重視した機能性化粧品が前年比35.2%増の7.3兆ウォン(7,300億円)と大幅に伸びていて、全体の4割近くを占めるまでに拡大しました。

また、同年の化粧品の輸出額が前年比20.3%増の102億ドル(約1兆4,500億円)に達し、ドイツを抜いて世界第3位となり、日本を含め世界的にその存在感を高めています。

韓国コスメが日本市場で人気が高い理由

韓国コスメが日本市場で人気が高い理由は、以下の通りです。

  • 美容成分を重視しているから
  • コストパフォーマンスが高いから
  • 韓国カルチャーが浸透しているから
  • トレンド感のあるパッケージデザインだから
  • リーズナブルな価格設定だから
  • 処方がシンプルだから

それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。

美容成分を重視しているから

韓国では「健康的な肌を保つこと」や「美肌であり続けること」が文化として重んじられていて、美容成分を含むメイクアップ化粧品などが多くの人に選ばれています。

CICA・ドクダミ・緑茶などの自然由来成分、ナイアシンアミド・セラミド・ヒアルロン酸などの美容成分が注目されており、スキンケアをしつつメイクアップすることを重視しています。

つまり、肌の保湿や鎮静などスキンケアを行いながら、同時にファンデーションや日焼け止めなどで仕上げる「スキンケア+メイクアップ」のアプローチなどが浸透しています。

科学的な根拠に基づいた成分を配合して製品への信頼性を高めているため、ユーザーが自身の肌質や目的に合わせてコスメを選択しやすいことが魅力です。

コストパフォーマンスが高いから

韓国は美容大国として化粧品の市場競争が激しく、価格競争も激化していて、低コストでありながら満足度の高いコスメの開発・販売が盛んに行われています。

美容成分を含んだコスメがリーズナブルな価格でゲットできるため、日本市場でもコストパフォーマンスが高い韓国コスメは人気を獲得しています。

韓国カルチャーが浸透しているから

K-POPや韓国ドラマに代表される韓国カルチャーは、近年では本国のみならず日本でも高い人気を誇ります。

憧れのアイドルや女優が使用している化粧品への関心が高まり、ユーザーが「私も使ってみたい」と意欲的に購入するケースが少なくありません。

また、韓国のライフスタイルや美容に対する意識そのものが、日本のユーザーに新たな価値観として受け入れられていることも、韓国コスメ人気を後押ししているといえます。

トレンド感のあるパッケージデザインだから

韓国コスメのパッケージデザインは色鮮やかでポップであり、SNSで「映える」デザインに設計されていることが多いです。

製品の機能性だけでなく、視覚的な魅力も重視されており、若年層を中心に注目を集めています。

さらに、国や数量を限定したデザインや有名キャラクターとのコラボレーションアイテムなども頻繁に展開され、常に新しい魅力を発信していることも特徴です。

リーズナブルな価格設定だから

プチプラなものは誰でも気軽に試せたり、継続的な購入につながりやすかったりするので、価格帯が高い製品より売れ行きが好調になりやすいです。

1,000円前後で購入できる製品が多いため、初めて韓国コスメを試したり、複数のアイテムを使ったりしたいユーザーにとってメリットとなっています。

処方がシンプルだから

一部の韓国コスメブランドでは、製品の処方が比較的シンプルであることも日本市場で人気を集めています。

肌への負担を最小限に抑えたいと考えていたり、ニキビ・シミ・シワなど特定の悩みを集中的にケアしたりしたいユーザーにとって魅力的です。

過度な成分配合を避け、肌本来の力を引き出すようなアプローチにより、敏感肌の方や丁寧なスキンケアを心がけている方などから熱い支持を集めています。

韓国コスメを日本市場で効果的にPRする方法

韓国コスメを日本市場で効果的にPRする方法は、以下の通りです。

  • ターゲット層を明確にする
  • ブランドイメージを確立する
  • インフルエンサーを起用する
  • SNSマーケティングに注力する
  • オフラインイベントを開催する

5つのPR方法を詳しく解説します。

ターゲット層を明確にする

日本のコスメ市場は多様化しているので、どのような人に製品を届けたいのかを重視し、ターゲット層を明確にしましょう。

たとえば「敏感肌に悩む20代女性向けのスキンケア」「パーソナルカラーに合わせたメイクアップを求める10代向け」「自然由来成分にこだわる30代以上のオーガニック志向層」など細かくターゲット層を設定することで、その後のPR施策の方向性も決めやすくなります。

ブランドイメージを確立する

日本市場にはすでに数多くの韓国コスメブランドが存在するため、競合との差別化を図るため、そのブランドが「なぜ選ばれるのか」という理由を打ち出す必要があります。

たとえば「成分へのこだわり」「パッケージデザインの美しさ」「肌への優しさ」「環境への配慮」など、ブランドの核となる強みを言語化することが大切です。

インフルエンサーを起用する

ユーザーは実際に化粧品を使った人のリアルな声や使用感を重視する傾向にあるので、インフルエンサーに製品の魅力を発信してもらうことが重要です。

YouTube・X(旧Twitter)・Instagram・TikTokなど、プラットフォームの特性に合わせてインフルエンサーと連携を図ります。

SNSマーケティングに注力する

日本人では各SNSの利用者数が数千万人単位で存在するので、SNSマーケティングは必須といえます。

「YouTubeではコスメの効果的な使い方を説明する」「Instagramでは『映える』製品のイメージ画像を投稿する」など、各SNSの特徴に合わせてマーケティングを展開する必要があります。

オフラインイベントを開催する

オフラインイベントはユーザーがいち早くかつ直接製品に触れられるので、化粧品への愛着を深める機会になります。

購買意欲を促すことはもちろん、ユーザーからのコメントがダイレクトに聞けるため、製品開発や訴求方法にも役立てられるかもしれません。

韓国コスメを日本市場で展開するときのポイント

韓国コスメを日本市場で展開するときのポイントは、次の通りです。

  • 透明性と信頼のあるブランド作りに徹する
  • 日本の国産コスメと差別化を図る
  • Qoo10以外の販売チャネルを確保する

3つのポイントを詳しく見ていきましょう。

透明性と信頼のあるブランド作りに徹する

多くの日本人は、「日本製品は高品質で安全」というイメージを強く持っているので、韓国を含めた海外製品に対して「安全性が高いかどうか」という点を気にする傾向があります。

そのため、「安全性の高い環境で製造している」「人体への影響を十分に研究したうえで商品化している」など、安全性や研究体制の透明性を積極的に発信することが重要です。

日本の国産コスメと差別化を図る

韓国コスメは日本の国産コスメと差別化を図らなければ、市場を拡大することは難しいです。

独自の成分やトレンドを敏感に取り入れる開発力を活かし、たとえば韓国伝統の発酵成分や漢方素材を配合した製品であること、あるいは韓国国内で注目されている最新成分を取り入れている点などをアピールするとよいでしょう。

日本市場におけるブランドの独自性と競争力を高めることが可能になります。

Qoo10以外の販売チャネルを確保する

美容プラットフォーム「LIPS」のユーザー3,000人以上を対象にしたアンケート調査では、約2人に1人が韓国コスメを広く取り扱う「Qoo10(キューテン)」をメインにECサイトを利用していることが分かりました。

最近ではバラエティーショップやコンビニエンスストア、ディスカウントショップなどでも販売されることが多くなったので、Qoo10以外の販売チャネルも確保する必要があります。

日本市場で成功した韓国コスメのPR事例

日本市場で成功した以下の4つの韓国コスメについて、PR事例を紹介します。

  • fwee(フィー)
  • numbuzin(ナンバーズイン)
  • 魔女工場
  • Anua(アヌア)

それぞれ詳しく解説します。

fwee(フィー)

fweeは韓国生まれのメイクアップブランドで、日本市場ではリップやクッションファンデーションが人気を博しています。

かわいらしいパッケージデザインと豊富なカラーバリエーションから「@cosmeベストコスメアワード2025 上半期 リップアンドチーク」部門で第1位を獲得しました。

プリンのようにもっちりした質感と、ふんわりマットな仕上がりが魅力で、リップとチークどちらにも使える2WAY仕様が人気を集めています。

また、SNSでも注目を集めていますが、実店舗展開にも力を入れており、2025年7月現在では東京・新宿と大阪・なんばの2店舗を運営。

店内には多種多様なフォトスポットが用意されているので、ユーザーによるSNSでの知名度アップも狙っています。

numbuzin(ナンバーズイン)

numbuzinは韓国発のスキンケアブランドで、肌悩みに特化した製品展開が特徴です。

「1番=角質ケア」「3番=毛穴ケア」「6番=トーンアップ」など、肌の悩みに合わせて直感的に商品を選べる点が高く評価されており、日本のSNSでも「どの番号が自分に合うか試すのが楽しい」と話題に。

numbuzinは韓国のボーイズグループである「NCT WISH(エヌシーティーウィッシュ)」をブランドモデルとして起用。

2025年3月には「渋谷愛ビジョン」にて彼らのPVを掲載するなど、インフルエンサーマーケティングに力を入れています。

魔女工場

魔女工場は、韓国発の自然派スキンケアブランドで、「美しさ、思いのままに」をコンセプトに、天然由来成分にこだわった製品を開発・販売しているブランドです。

魔女工場はQoo10を通じて公式に日本市場に参入したことから、Qoo10でのショップ運営を重視しており、「Qoo10 Analytics(データ分析ツール)」を利用して流入数・PV・転換率などのデータをチェック。

2022年・2023年には2年連続で「Qoo10 AWARDS」のビューティー部門カテゴリー賞を受賞しました。

なかでも人気の「ガラクナイアシン2.0エッセンス」は、SNSでも「透明感が出る」「毛穴が引き締まる」といった口コミが拡散され、500万本を突破するヒット商品となりました。

Anua(アヌア)

アヌアは「優しく。強く。」をコンセプトにした韓国のスキンケアブランドで、ドクダミ・シラカバ・桃・米など天然由来の成分や、アゼライン酸・ヒアルロン酸といった肌に必要な美容成分を厳選して配合しています。

看板製品の「ドクダミ77スージングトナー」が、韓国のアイドルグループ「EXO」のスホさんの愛用品として紹介されたことでバズり、ブランドの知名度が一気に上昇。

2024年には日本でのCMキャラクターとして「なにわ男子」の大橋和也さんを起用したことで、日本市場でさらに高い知名度を獲得しました。

こうしたプロモーションと商品力の相乗効果により、2024年度の売上は前年比で3倍以上に増加。

日本市場においても売上高が100億円を突破するなど、急成長を遂げています。

日本市場で韓国コスメをPRしたいならマヴェリックへ

本コラムでは、韓国コスメの市場動向や成功事例に見るPR手法、日本市場で展開する際のポイントを紹介しました。

日本のユーザーが求める「安心・安全・信頼性」へのアプローチも欠かせません。

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