化粧品広告のキャッチコピーの作り方|効果的なテクニックや注意点を解説

化粧品広告において、キャッチコピーは商品の魅力を一瞬で伝える重要な役割を担っています。

効果的なキャッチコピーは、ターゲットの心をつかみ、商品への興味を引き出すことにつながります。

しかし、いざキャッチコピーを作ろうと思っても「具体的にどうやって作れば良いのかわからない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

この記事では、化粧品広告のキャッチコピーの作り方や効果的なテクニック、意識すべき注意点を詳しく解説します。商品をより多くの人に届けるために、ぜひ参考にしてください。

美容プロモーション・化粧品PR代行会社 有限会社マヴェリック

美容プロモーション・化粧品PRの専門家
マヴェリック編集部

代表 桑原由美子が率いる美容専門のPR会社。1996年の創業からビューティに特化したメディアコミュニケーションを実施。長年のキャリアで築き上げたメディアとの信頼関係を強みとして、WEBを含む美容誌・女性誌へのアプローチを中心に、イベント、インフルエンサーマーケティングなど、常にトレンドや時代のニーズに合わせたPRの戦略と戦術を設計することでブランドや製品の認知度向上に貢献。

化粧品広告でキャッチコピーが重要な理由

化粧品広告において、キャッチコピーは商品を象徴する存在であり、広告全体の印象を左右するほどの重要な要素です。

一瞬で消費者の目を引き、その商品の魅力を伝えるために欠かせない役割があります。

では、なぜそれほどまでにキャッチコピーが重要視されるのでしょうか。

その理由について、3つのポイントに分けて解説していきます。

商品情報を得るための第一歩になる

キャッチコピーは、消費者が商品情報を得るための最初の接点となり、購買検討を促す部分です。

消費者は日常生活のなかで多くの広告に触れるため、一つの商品をじっくりと調べる時間は限られています。

そのなかで、キャッチコピーは商品の魅力や特徴を瞬時に伝えることが求められます。

特に化粧品のように競合が多い分野では、印象的なキャッチコピーでなければ埋もれてしまう可能性が高いです。

たとえば「肌を明るくする美白クリーム」を宣伝する場合、「瞬時に輝く透明感」「塗った瞬間、ワントーン明るい肌へ」といったキャッチコピーにすることで、商品の効果を直感的に伝えることが可能です。

このような表現により、消費者の関心を引き付け、さらに詳しく商品を知りたいという気持ちを引き出します。

魅力的なキャッチコピーを作ることで、商品の特徴を効果的に伝え、商品への関心を高めることができます。

購買意欲を刺激する

キャッチコピーは、消費者の心に訴えかけ、購買意欲を刺激する役割があります。

消費者が化粧品を購入する際には「美しくなりたい」「肌の悩みを解消したい」といった願望を抱えていることが多いです。

そのため、悩みや願望に寄り添う言葉をキャッチコピーに含めると、消費者は「この商品なら自分の願いを叶えてくれるかもしれない」と感じ、興味を持ちます。

たとえば、乾燥肌向けの化粧品で「一日中しっとり、触れたくなる肌へ」といったキャッチコピーの場合、乾燥に悩む消費者の共感を得られるでしょう。

このようなキャッチコピーは、消費者が理想とする未来をイメージさせる効果があります。

悩みや願望に寄り添い、解決策を提供するような表現をキャッチコピーに盛り込むことで、購買意欲を高めることが可能です。

ブランドイメージに直結する

キャッチコピーは、言葉選び一つでブランドの方向性やターゲット層を明確に示すことが可能です。

ブランドがどのような価値観を大切にし、どのようなライフスタイルを提案しているかを消費者に伝える力があります。

たとえば、エレガントで高級感を重視するブランドであれば、洗練された言葉遣いや感性的な表現を用いると良いでしょう。

一方、若年層をターゲットとするブランドなら、親しみやすく軽快なトーンの表現が適しています。

キャッチコピーは言葉の選び方次第で、ブランドの個性を消費者に直感的に伝えられる部分です。

消費者がキャッチコピーを通じて、商品のストーリーやブランドの思いに共感を覚えると、商品の価値が一層高まり、ブランド認知の向上にもつながります。

化粧品広告のキャッチコピー一覧

化粧品広告には、どのようなキャッチコピーが使われているのでしょうか。

きっと、多くの方が一度は目にしたことのあるフレーズもあるはずです。

有名化粧品ブランドの広告で使用されているキャッチコピーを一覧で紹介します。

商品名 キャッチコピー
SK-Ⅱピテラパワーキット 今日からあなたもクリアな素肌へ
ちふれ 保湿化粧水 ベタつかずうるおう。しっとりととのった肌に。
資生堂 アネッサ 美肌よ、ずっと、輝け。
資生堂 エリクシール シュペリエル 「つや玉」。それは満たされた肌のしるし。
資生堂 フューチャーソリューション LX 美しさは、夜に目覚める。
資生堂 uno 大人の男を楽しもう。
コーセー アスタブラン ジブン年齢は、私が決める。
ファンケル エンリッチ 化粧液Ⅱ しっとり 美容液級の「とろみ」で、年齢肌にハリを
オルビス オルビスユー ドットシリーズ ハリも透明感も結果主義
コスメデコルテ リポソーム アドバンスト リペアクリーム 睡眠不足でも、3時間多く眠ったような肌へ
CANMAKE TOKYO かわいい!に出会える
ピエール ファーブル ジャポン  アベンヌウォーター 素肌力を育む 深層ミネラル温泉水スキンケア
アテニア ドレスリフトローション あのハリ、到来。1本の化粧水が肌運命を変える
アテニア スキンクリアクレンズオイル 洗うたび、もっと明るく。肌運命を変えるクレンジング
ロート製薬 SUGAO 透明な朝を超えてゆけ。
富士フイルム株式会社 アスタリフト この輝きは、自信作。
ファンケル ディープクリア洗顔パウダー 実は私、クロなんです。
マンダム GATSBY 気分、ぶっ変わる。
アンファー まつ毛美容液 まつ毛で仕掛ける恋の罠

化粧品広告のキャッチコピーの作り方

効果的なキャッチコピーを生み出すには、計画的なプロセスを踏むことが重要です。

キャッチコピー制作の基本ステップを3つに分けて解説します。

STEP1:ターゲットを設定する

キャッチコピーを作る最初のステップは、ターゲットの明確な設定です。

化粧品の特徴や解決できる悩みを踏まえつつ、どのような人に響かせたいのかを具体化します。

ターゲット像を具体的に設定することで、言葉選びがより的確になり、消費者の共感を得やすくなります。

以下のような属性を詳しく分析し、ターゲットの悩みやニーズをしっかりと把握しましょう。

  • 年齢
  • 性別
  • ライフスタイル
  • 価値観

たとえば、若い女性向けの化粧品であれば、トレンド感や個性を重視する言葉選びが効果的です。

一方、エイジングケアを求める層には、効果や信頼性をアピールする言葉が響きます。

ターゲットが誰なのかがあいまいでは、キャッチコピーもぼやけてしまいます。

具体的で明確なターゲット像を設定しましょう。

STEP2:伝えたい商品の魅力を整理する

次に、商品の魅力を整理します。

以下のような商品が持つ特徴をあらゆる角度から洗い出し、他社との差別化ポイントを明確にしましょう。

  • 配合成分
  • 使用感
  • 効果の持続性
  • デザイン

この段階では、なるべく多くの要素をリストアップすることが大切です。

そのうえで、これらの特徴を消費者目線で再解釈し、メリットやベネフィットとしての表現に変換します。

たとえば、商品の特徴は以下のように言い換えられます。

商品の特徴 言い換え表現
自然由来の成分を使用している 肌に優しく安心して使える
即効性がある 忙しい日々でもすぐに効果を実感できる

このように、表現を具体的なメリットやベネフィットに変換しましょう。

商品のメリットやベネフィットを直感的に理解できるようになったフレーズは、キャッチコピーに組み込むメッセージの核となります。

STEP3:競合他社のキャッチコピーを分析する

競合他社のキャッチコピーの分析も欠かせません。

競合他社の広告やウェブサイトをチェックし、そのキャッチコピーがどのようにターゲットに響くよう工夫されているかを分析します。

特に、使用しているフレーズやトーン、スタイルをしっかり分析し、自社ブランドとの違いを明確にすることが重要です。

違いを明確にすることにより「どの部分で差別化を図れるのか」「自社の強みをどう際立たせるか」といった具体的なヒントが得られます。

効果的な化粧品広告のキャッチコピーをつくる6つのテクニック

ターゲットの設定や競合他社のキャッチコピー分析が終わったら、いよいよ実際にキャッチコピーを作成する段階です。

化粧品広告のキャッチコピーをより効果的にするための6つのテクニックを紹介します。

ただし、これらの6つすべてを必ず取り入れる必要はありません。

商品特性やブランドの方向性に合わせて、適切な要素を取捨選択することが大切です。

1.ベネフィットを具体的に伝える

キャッチコピーは、商品の特徴を説明するだけでなく、使用により得られる具体的なベネフィットを伝えることが重要です。

消費者が化粧品を選ぶ際に最も関心を持つのは「この商品が自分にとってどんな効果をもたらすのか」という点です。

機能や特徴を羅列するだけでは、消費者に商品の魅力が十分には伝わりません。

たとえば、エイジングケア用の美容液の場合、「ハリを取り戻すコラーゲン配合」といった説明ではなく、「翌朝、弾むような若々しい肌を実感」という表現にすれば、具体的な未来の変化をイメージさせられます。

ベネフィットを具体的に伝えるキャッチコピーは、消費者に「この商品なら自分の悩みを解決できる」と感じさせるための効果的な手法です。

商品の機能的な価値を感情的な価値へと変換し、理想的な未来をイメージさせることで、購買意欲を高められるでしょう。

2.簡潔でインパクトのある表現を使う

キャッチコピーは、簡潔でインパクトのある表現を使うと、消費者の目を引き、商品の魅力を瞬時に伝えられます。

むだのない表現は、商品の特徴やメリットを的確に伝え、印象に残りやすい効果があるためです。

複雑な表現や専門用語の多用は、消費者にとって分かりにくく、興味を失わせる原因になりかねません。

たとえば、「瞬時に輝く透明感」という表現は、短いフレーズで商品の効果を直感的に伝えられる例です。

また、リズム感のある表現や比喩的な言葉を使うと、商品の印象を鮮明にし、記憶に残りやすくなります。

誰にでも理解しやすく、多くの人々に共感されやすいというのも利点です。

余計な情報を省き、商品の核心を短い言葉で表現することで、消費者に明確なメッセージを伝えられます。

誰にでもわかりやすい表現を心がけると、商品の魅力を最大限に引き出す効果的なキャッチコピーが作れます。

3.独自性をアピールする

競合他社との差別化を図り、消費者の記憶に残るためには、商品の独自性をアピールしたキャッチコピーが有効です。

競争が激しい化粧品市場で、他社と似通ったキャッチコピーでは商品の印象が薄れ、消費者に選ばれるチャンスを失いかねません。

たとえば、「天然由来成分100%」「世界で初めての技術」などの特徴は、消費者に製品の独自性を強くアピールでき、興味を引きつける効果を持ちます。

独自性を打ち出したキャッチコピーは、商品の印象を鮮明にし、競合との差別化につながります。

オリジナリティを意識し、商品の魅力を効果的に表現することが重要です。

4.感情に訴えるメッセージを伝える

感情に訴えるメッセージは、消費者の心に共感を与え、商品の魅力をより強く印象付けられます。

化粧品を選ぶ際、多くの消費者は「若々しい肌を保ちたい」「美しさを取り戻したい」といった願望や不安を抱えていることが多いです。

キャッチコピーがこうした思いに寄り添う内容であれば、共感を得やすくなり、商品への興味が自然と高まるはずです。

たとえば、「年齢を感じさせない輝く素肌へ」というキャッチコピーの場合、エイジングケア商品の効果を具体的に示しながら、「もっと若々しくありたい」という消費者の願いに応えるメッセージを発信できます。

感情に訴えるキャッチコピーは、消費者の共感を引き出し、興味を持ってもらうきっかけを作ります。

願望や不安に寄り添ったメッセージを意識することで、商品の魅力を最大限にアピールできるでしょう。

5.数字や検証結果で信頼性をプラスする

キャッチコピーに具体的な数字や検証結果を盛り込むと、商品の効果に対する信頼性が増します。

数字や検証結果は、感覚的な表現だけでは伝わらない商品の効果や、実力を具体的に示すことが可能です。

たとえば、「多くの人が効果を実感」といった抽象的な表現よりも、「90%以上の人が1週間で効果を実感」といった具体的なデータ結果を提示した方が信頼を得やすくなります。

また、視覚的にインパクトを与える数字は、記憶にも残りやすいのが特徴です。

数字や検証結果を取り入れたキャッチコピーは、商品の効果を具体的に示し、信頼性の向上にもつながります。

6.好奇心をあおる

キャッチコピーで好奇心を刺激する表現を使うと、読者の関心を引きつけ、広告の効果を高められます。

人は意外性や興味をそそる内容に反応しやすいものです。

驚きや新しさを感じるキャッチコピーは「もっと知りたい」「使ってみたい」と思わせるきっかけを生み出します。

たとえば、「肌の未来を変える1滴」といったキャッチコピーは、効果を直接伝えるのではなく、商品の可能性や新しさを想像させる表現といえます。

意外性や新鮮な視点を取り入れ、読者が次の情報を知りたくなるような表現を意識すると、印象に残るキャッチコピーを作れるでしょう。

化粧品広告のキャッチコピーを制作するうえでの注意点

最後に、化粧品広告のキャッチコピーを制作する際に押さえておくべき注意点を解説します。

著作権違反していないか

キャッチコピーを制作する際には、著作権に違反していないか確認が必要です。

特に、競合ブランドや有名なフレーズを模倣したり、言い回しを少し変えただけのコピーは、著作権侵害と見なされる可能性があります。

このような事態は、法的なトラブルにつながるだけでなく、ブランドイメージの低下を招きかねません。

著作権侵害を避けるために、制作したキャッチコピーが他のブランドや商品と類似していないかを事前に確認しましょう。

自社内での確認に加え、専門家への相談や商標検索ツールを活用すると、リスクを最小限に抑えられます。

過剰表現や誇大広告になっていないか

キャッチコピーは、過剰な表現や誇大広告に該当しないか慎重に確認する必要があります。

化粧品や医薬部外品の広告では、薬機法や景品表示法によって効果を謳える範囲が明確に定められています。

医薬品等適正広告基準や化粧品等の適正広告ガイドラインなどの遵守も必須です。

根拠が曖昧な誇張表現や非科学的な主張は認められておらず、ブランドの信頼性を損なうだけでなく法的なリスクを招く原因になります。

たとえば、「完全に」「完璧に」といった表現は薬機法に違反するおそれがあります。

適切なキャッチコピーを作るためには、効果を裏付けるデータや根拠を示すことが大切です。

客観的な​視点を忘れていないか

キャッチコピーは、客観的な視点を忘れず、読んだ人がどう感じるかを意識することが重要です。

制作者が使いたい表現や言葉を優先しすぎると、消費者に響かない自己中心的なキャッチコピーになる可能性があります。

広告は、商品の魅力を消費者に伝えることが目的であり、その視点が欠けるとメッセージが正しく伝わらず、購買意欲を効果的に引き出せません。

たとえば、「革新的な技術で開発された特別な美容液」という表現は一見魅力的に思えますが、消費者には伝わりにくい場合があります。

自己満足ではなく、ターゲットのニーズや期待に応えるメッセージを伝えることで、商品の魅力を最大限に引き出す広告となるでしょう。

プロの意見も取り入れてキャッチコピーを制作しよう

化粧品広告のキャッチコピーは、商品の魅力を一瞬で伝える重要な役割を果たします。

効果的なキャッチコピーは、一瞬で消費者の目を引き、商品の魅力を伝えることができます。

本記事でご紹介した、化粧品広告のキャッチコピーの作り方やテクニック、注意点を参考に、キャッチコピーの制作を実践してみてください。

マヴェリックでは、化粧品広告におけるキャッチコピー制作をサポートしております。

化粧品PRのプロとして、消費者に響く、効果的なキャッチコピーをご提案させていただきます。

ぜひお気軽にご相談ください。