化粧品コンサルティングとは？利用するメリットや流れ、選び方を解説

化粧品のコンサルティングとは、化粧品の企画から開発・販売・ブランディングなど、業績アップに必要なアドバイスを行うことです。

特に、化粧品業界に新規参入する企業や、既存製品をリニューアルするときに役立ち、成分の選定や法律など多岐にわたる専門分野についてアドバイスします。

「化粧品を新しく開発したいけど、何をどうすればいいのか分からない」「マーケティングに尽力しているものの、売上が伸び悩んで困っている」といった場合は、ぜひ化粧品のコンサルティング企業に相談してみましょう。

今回は化粧品コンサルティングの仕事内容や利用するメリット、コンサル会社の適切な選び方などを解説します。

化粧品のコンサルティングとは

化粧品のコンサルティングとは、開発・販売・マーケティングなど化粧品の事業に関する専門的なアドバイスを行うことです。

クライアントの化粧品ビジネスをあらゆる側面から支え、知名度アップや売上増加に貢献するための提案や立案、施策の実行などを手がけます。

製造や物流チャネルの最適化や、Eコマースを活用した販路拡大の支援まで担当。

製品ジャンルや市場状況によっては、成果が出るまでに時間がかかることもありますが、最適なチャネルや施策を提案してくれるため、成功の可能性を高められます。

また、化粧品コンサルティングでは、医薬品・医薬部外品・化粧品に関する法規制や基準にも対応し、違反しないように気をつけながら支援します。

化粧品コンサルティングの主な仕事内容や役割

化粧品コンサルティングの主な仕事内容や役割は、次の通りです。

• 新製品の開発や成分の解説
• 販路開拓やブランディング
• マーケティングの戦略的なアドバイス
• 法規制対応のサポート

以下からの解説で、化粧品コンサル企業がどのような業務を行っているかを把握し、実際に依頼するか検討してみてください。

新製品の開発や成分の解説

化粧品コンサルティング会社では、緻密に化粧品市場を分析したうえで、ユーザーニーズを捉えた新製品の開発を行います。

また、最新の成分や技術に関する情報を提供し、安全性や効果の高い処方も併せて提案。

製品の魅力を最大限に引き出すパッケージデザインやキャッチコピーも手がけるので、販売までスムーズにサポートします。

販路開拓やブランディング

ターゲット層・競合他社・トレンドなどを研究し、効果的な販売戦略やブランディングを企画します。

たとえば百貨店・ドラッグストア・オンラインストアなど、開発した化粧品の最適な販売チャネルを選定し、それぞれのチャネルに合わせた戦略を立案。

海外展開を検討している企業に対しては、各国の薬事規制や輸出入のルール、ラベル表示などに関するアドバイスも行います。

たとえば、中国のNMPA登録や、欧州の化粧品規則（EU Cosmetics Regulation）など、国ごとの手続きに詳しい専門家がサポートすることで、スムーズな海外展開が可能になります。

さらに、開発した化粧品の世界観を創造し、購入して欲しいユーザーのイメージを固めることも業務の1つです。

「子育てで毎日忙しいママさん」「基礎化粧品に興味が出始めた若い男性」など、ユーザーのペルソナ像の策定から対応するので、一貫したブランディングを確立できます。

マーケティングの戦略的なアドバイス

認知向上・ユーザーの獲得・売上増加のためのプロモーション戦略を立案・実行を支援します。

SNSやECサイトなどマーケティングにおける効果的な手法を提案し、コンサルティング会社によっては運用も代行します。

SEO対策・インフルエンサーマーケティング・コンテンツマーケティングなど、専門性の高い分野のマーケティングの対応も可能です。

法規制対応のサポート

化粧品業界では、薬機法や景品表示法など、遵守すべき法律が多く存在します。

コンサルティング会社は、こうした法規制に対応した広告表現や表示方法のアドバイスをし、違反リスクを軽減します。

たとえば、薬機法では、化粧品の効能・効果について虚偽または誇大な広告を禁止しており、違反すると罰則が科される可能性があります。

そのため、専門家のサポートを受けることで、安心して事業を展開できるのです。

化粧品コンサルティング会社を利用するメリット

化粧品コンサルティング会社を利用するメリットは以下の通りです。

• 化粧品に特化したサポートが受けられる
• 法律を遵守して事業展開できる
• 幅広いネットワークを活用できる

それぞれ分かりやすく解説します。

化粧品に特化したサポートが受けられる

化粧品に関して経験豊富な専門家によるアドバイスが提供されるので、効率的な製品開発や事業展開が可能です。

事業戦略の策定や販売戦略の立案をはじめ、製品コンセプトの選定から品質管理まで対応するなど、化粧品に関する悩みごとを網羅的にカバーするようなサポートが受けられます。

また、プロモーション戦略の実施やブランドイメージの構築など、化粧品ならではのマーケティングやブランディングの支援もします。

「今は〇〇という美容系インフルエンサーが有名」「類似製品の××は、こういう理由でヒットしている」など具体的なプロのアドバイスをもとに、最短ルートでクライアントの化粧品ビジネスを成功に導けることが強みです。

たとえば、株式会社くるみ（モノシル）が2024年に実施した「化粧品買い替えのきっかけに関する調査」では、新しく購入するコスメを知ったきっかけの第1位が「SNS」（52%）であり、インフルエンサーの紹介をきっかけにしたという回答も22％ありました。

また、買い替えの決め手として「SNSで話題になっていた」が18％、「好きな有名人やインフルエンサーのおすすめ」が14％にのぼっており、SNSやインフルエンサーの影響力の大きさがうかがえます。

なお、コンサルティングの料金体系は企業によって異なり、月額制・プロジェクト単位・成果報酬型などがあります。

事前に契約形態や費用感をしっかり確認し、必要なサポート内容に対して無理のない予算かを見極めることが大切です。

法律を遵守して事業展開できる

化粧品専門のコンサルティング会社では、化粧品に関する法規制を熟知した専門家が、法律を守りながら事業展開をサポートします。

企業によっては、薬機法などの専門知識をもつ外部の薬事コンサルタントと連携している場合もあります。

たとえば、化粧品に関する法律の1つである薬機法に違反すると、厚生労働省から懲役や罰金といった刑事罰をはじめ、行政指導・措置命令・課徴金納付命令などが科されることがあるのです。

薬機法第66条では、化粧品の名称、製造方法、効能、効果または性能に関して、虚偽または誇大な記事を広告し、記述し、または流布することを禁止しています。

違反した場合、措置命令や課徴金納付命令が科される可能性があります。

また、販売やマーケティングに関係する法律である景品表示法に違反すれば、消費者庁に措置命令や課徴金納付命令を下されるかもしれません。

景品表示法（第7条）では、不当な表示によって消費者が誤認することを禁止しており、違反が認定されると措置命令が下ることもあります。

課徴金の割合は法律本文には明記されていませんが、消費者庁が定めたガイドラインでは、違反によって得た売上額の最大3％が課される仕組みです。

法律に熟していない企業が化粧品事業に着手するのはリスキーなので、必ず専門家に確認を取りながら事業を展開しましょう。

幅広いネットワークを活用できる

コンサルティング会社が有している人脈やネットワークを活用し、販路を広げるチャンスが豊富です。

クライアントだけでは実現できなかった有名な雑誌出版社や大手の百貨店などと商流が確保でき、販売やマーケティング戦略でさらなる競争力を得られる可能性があります。

また、日本製の化粧品は国内はもちろん海外でも高い注目を集めており、事業拡大を目指して海外進出する企業は少なくありません。

経済産業省の2019年生産動態統計年報によると、化粧品の生産額は年々増加傾向にあり、海外市場への輸出も拡大しています。

2020年から2021年は新型コロナの影響で一時的に減少した年もありますが、長期的には輸出額は増加傾向。

このようなデータは、海外進出を検討する企業にとって有益な情報となります。

海外進出のサポートを得意としている化粧品コンサルタントも存在するので、海外向けに展開したい場合はぜひ化粧品コンサル企業を利用しましょう。

化粧品コンサルティングの仕事の流れ

化粧品コンサルティングの仕事の流れは次の通りです。

• 現状や要望のヒアリング
• 市場分析や企画の立案
• 化粧品の開発
• 販売とマーケティング
• 効果測定や改善

1つずつチェックし、不安を解消したうえで実際に化粧品コンサル企業に連絡してみましょう。

1.現状や要望のヒアリング

クライアントの現状の課題や目標、要望などを詳しくヒアリングします。

化粧品ブランドの特徴や強み・弱みはもちろん、ターゲットとしているユーザー・販売チャネル・マーケティング活動などの全体像を把握。

ヒアリング内容に基づき、クライアントが抱える具体的な課題を明確化し、今後の方針をしっかりと固めます。

2.市場分析や企画の立案

化粧品市場全体の動向・トレンド・競合ブランドの戦略・ユーザーニーズなどを、市場調査レポート・業界統計・インターネット調査などのデータソースを用いて調査します。

ポジショニング・製品ラインナップ・価格・プロモーション戦略・販売チャネルなど、競合ブランドの詳細な分析も怠りません。

調査・分析で得られた情報を総合的に評価し、課題解決や目標達成のための戦略の方向性を検討します。

方向性が決まったら、「いつまでに、こういう戦略で進める」「マーケティング手法は〇〇から着手する」など、具体的な内容の企画立案も実行します。

3.化粧品の開発

化粧品に特化したコンサル企業の中には、販売やマーケティングのみならず、化粧品の開発までサポートするところも存在します。

成分の選定やパッケージデザインまで幅広くアドバイスし、現在の化粧品市場で売れる製品を生み出します。

また、コストを抑えられる工場の選定や製造ロット数など、なるべく無駄を省いた効率的な方法を提案するので、安心して任せられるでしょう。

4.販売とマーケティング

コンサル企業が有する物流ルートの確保やマーケティング戦略を実行。

マーケティングキャンペーンの実施や、プレスリリース（ニュースリリース）の発信などを行い、販売促進に取り組みます。

万が一、計画通りに進まない場合や新たな課題が発生した場合は、クライアントと協力して解決策を検討し、必要に応じて計画を修正します。

5.効果測定や改善

売上・ユーザーの動向・Webサイトのアクセスデータをチェックしたり、ユーザーへアンケートを実施したりして、施策の効果を定量的に評価します。

効果測定の結果に基づき、成功した施策は継続し、さらなる認知拡大や売上増加のための提案を行います。

効果の低い施策は見直し、新たな改善策を実行します。

化粧品コンサルティング会社の適切な選び方

化粧品コンサルティング会社の適切な選び方は次の通りです。

• 化粧品を専門的に取り扱っているか
• 実績が豊富か
• サポート範囲が希望に沿っているか
• コンサルタントを信頼できるか

実際にコンサルを任せようとお考えの方は、必ずチェックしてください。

化粧品を専門的に取り扱っているか

幅広い分野を扱うコンサル企業では、化粧品に関するノウハウが少ない恐れがあります。

化粧品に特化した企業を選ぶことで、ブランドの立ち上げから危機管理まで幅広い業務を安心して任せられるでしょう。

その際、「基礎化粧品とメイクアップアイテムのどちらを強みとしているか」「中小企業でも対応してくれるか」など、ブランドや自社に見合う企業を選定することがおすすめです。

実績が豊富か

「どのような化粧品の認知拡大に成功したか」「どういう風にメディアに掲載されたか」など、コンサル企業の実績を確認しましょう。

実績が豊富であれば、自社の化粧品のPRも成功する可能性が高いです。

ホームページに実績を掲載しているコンサル企業は多いため、よく調査してから選んでください。

また、ある程度コンサル企業を絞れたら、口コミを調べてみて「評判が良いか」「本当に成果を上げられているのか」などをチェックしましょう。

サポート範囲が希望に沿っているか

一概にコンサル企業といっても、対応できるコンサルティングの範囲が異なります。

「製品開発から販売まで任せたい」「SNS運用だけ依頼したい」など、自社の要望に合う企業を選んでください。

必要な業務だけ依頼することで、余計な費用をかけずに効率的に化粧品ブランドの認知拡大や売上増加につながるでしょう。

コンサルタントを信頼できるか

コンサル企業の担当者を信頼できるからこそ、化粧品の販売やPRを成功に導けます。

人によって相性が良い・悪いがあるのは仕方ないので、もし担当者と馬が合わないと思ったら遠慮なく交代を申し出てください。

初回相談の際には、「こちらの要望をしっかりヒアリングしてくれるか」「提案内容に論理的な根拠があるか」「業界の実情やデータを踏まえた説明ができているか」などをチェックしましょう。

信頼できる担当者は、曖昧な返答を避け、事例やデータに基づいた提案をしてくれるはずです。

コンサルタントと長期的なパートナーシップを築くことを目指し、信頼できる担当者と二人三脚で業務を進めましょう。

マヴェリックではコンサルティングを含む幅広いサポートを提供しています

今回解説したように、化粧品コンサルティングはプロの目線で開発や販売、マーケティングや効果測定などを行い、クライアントの化粧品ビジネスを成功に導きます。

化粧品は薬機法や景品表示法などさまざまな法律を守りながら事業展開をする必要があるので、自社だけで対応しようとはせず、プロが在籍するコンサル企業に依頼することがおすすめです。

化粧品専門のPR会社であるマヴェリックでは、契約をしている企業様に対してコンサルティングを含めた幅広いサポート内容をご提供しております。

「化粧品に特化したノウハウを持っているPR企業を選びたい」「コンサルティングと一緒にプロモーションについても相談したい」という方は、ぜひ一度ご連絡ください。

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